稲取隔離病棟

カテゴリ:廃墟・戦争遺跡  地域:静岡


伊豆稲取隔離病棟廃墟がある。
そんな情報を聞き、再び伊豆へやってきた。

もう何十回と伊豆に行っていて、
ここの場所も知っていたんだけど、
まさか国道からこんなに近い場所にあるとは思ってもなかった。


稲取天然痘隔離病棟 (2)

この病棟は
1958年から使用され、
1982年に閉鎖されたらしい。築年数は55年以上、廃墟年齢は30年以上。
25年くらいしか使われていなかったようだ。



稲取天然痘隔離病棟 (1)

この建物は
人為的破壊・自然的破壊とともに進んでおり、
かなりボロボロになっている。ネットでは10年くらい前の写真が落ちていたが、
今よりも建物がしっかりとしており、残留物もそこそこ残っていた。


稲取天然痘隔離病棟 (3)

このあたりは特に
崩壊がひどい
渡り廊下になっていたのだが、もはや原型がかろうじて残っているような状態。


稲取天然痘隔離病棟 (7)

電気のケーブルが上からぶら下がる。
ここへ電気関係の建物だったのか?


稲取天然痘隔離病棟 (8)

押入れ。ここの建物は病棟じゃなくて宿直室みたいな感じかな?
奥へ進めなかったし、残留物もほとんど残っていなかったので、分からない。


稲取天然痘隔離病棟 (9)

この建物はホントにボロボロ

海がすぐそばのため、台風とかの影響をもろに受ける。
さらに人為的な破壊も進んでおり、あと何年もつかといった状態。


稲取天然痘隔離病棟 (5)

別の建物とつながる階段。
骨組みだけになっており、いつ崩れるかわからない。


稲取天然痘隔離病棟 (6)

さすがにこの階段を登る勇気はなかったので、
外から上の建物へ進む。


稲取天然痘隔離病棟 (10)

一段上の建物。こちらもボロボロ。
地面からは竹が生えてしまっている。


稲取天然痘隔離病棟 (11)

数少ない残留物の棚

カルテやら医療道具やらが置かれていたのだろう。


稲取天然痘隔離病棟 (12)

金属製の洗面器と洗面器を置く台

数少ない残留物の1つ。
天然痘の隔離病棟という噂だが、
天然痘は国内では1955年を最後に発生していない。
1958年に建てられたこの建物は本当に天然痘の隔離病棟なのか?


稲取天然痘隔離病棟 (13)

ベッドが部屋の入口に。
天井や壁もボロボロで進むのも一苦労。


稲取天然痘隔離病棟 (14)

あちこちから
が伸びており、地面もボロボロ
竹の生命力は強く、庭に植えてはいけないと言われている。
アスファルトさえ突き破ることもある。


稲取天然痘隔離病棟 (15)

廊下にも竹だらけ。
そしてあちこちボロボロになっている。
当時の様子を知ることはもはや難しい。




稲取天然痘隔離病棟 (16)

先ほどの渡り廊下

うーむ、階段から来なくてよかった・・・



稲取天然痘隔離病棟 (17)

手洗いの水道もボロボロ。
窓枠もこんな状態になっている。


稲取天然痘隔離病棟 (18)

病棟の入口のところに
ベッドが置いてある。
これも誰かが置いたのだろうか?ベッドの藁もボロボロ。


稲取天然痘隔離病棟 (19)

この部屋は狭いが、
ガラスが残っている
これは奇跡に近いぞ。


稲取天然痘隔離病棟 (20)

この広さということは
一人部屋だったのかな?
当時のことを考えると一人部屋ってのはいい待遇。
隔離されているし、決していい待遇ってわけじゃないけどさ。


稲取天然痘隔離病棟 (21)

奥の病室は崩壊していた。
あと5年くらいしたら完全に自然に還りそう。


稲取天然痘隔離病棟 (22)

竹林の上に更に病棟がある。
こちらへのアクセスルートは崩壊していたため、
斜面を登っていかねばならない。


稲取天然痘隔離病棟 (23)

こちらは先ほどの建物よりはまだ状態がいいほうか?
しかし、相変わらず竹が生い茂っている。


稲取天然痘隔離病棟 (24)

ちなみこの隔離病棟。
もともとは国道からアクセスできたのだが、
1978年に
伊豆大島近海地震がで土砂崩れが発生。
トンネルも崩落し、完全にルートが途絶えてしまった。


稲取天然痘隔離病棟 (25)

そのため、近隣の病院へ患者を移送し、
1982年に完全にここは役目を終えた。


稲取天然痘隔離病棟 (26)

現在は
旧道は完全に塞がれ、新道が通る。
この建物までのアクセスルートは途絶えることとなった。


稲取天然痘隔離病棟 (27)

トイレ

隣との距離近くね?

いろいろ嫌じゃね?



稲取天然痘隔離病棟 (28)

床がボロボロに抜けている

このあたりは人為的な破壊でなく、自然の力だろうな。


稲取天然痘隔離病棟 (29)

外に落ちていた残留物

これは何に使用されていたものだろう?


稲取天然痘隔離病棟 (31)

というわけで、
稲取隔離病棟
この建物は自然と共に朽ちていく運命だったのだろう。




     

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